コラム3「医師を目指したきっかけ」

Q.医師を目指したきっかけは?

 自分の周りに医療関係者が多かったことや、両親が事故に遭った時に担当されていた先生の働く姿を見たりして、子供のころから自分も人の命を直接的に守ることができる医師の仕事がしたいと思っていました。眼科医になることを決めたのは、最初の病気の診断から、手術を含めて治療の完結まで責任を持って診療できる科であるという点に魅力を感じたからです。人間の生活で、眼が見えなくなるというのはとても恐ろしいことだと思います。大切な体の機能である視力を守る、この仕事にこれからも真摯に取り組んでいきたいと思います。

Q.医師という職業―大切にしていること

 勤務医の頃、眼底の状態から白血病と診断させて頂いた患者さんがいました。病気の発見から1年半くらいでお亡くなりになるまで拝見していました。最後のクリスマスに病室に立ち寄った際に、「なんとなく先生が来ると思ってね」と、ビーズで作ったネックレスをプレゼントしてくださったんです。彼女は末期の段階になり、眼科の診療はあまり必要ではない状態でも、往診する機会を待っており、ご家庭のことやお子さんの話、いろいろな話をしてくれました。「先生と話をするとご飯が食べられるの」そう言ってくださるのを聴いて、こういうことが医師という職業にとって一番必要とされることなのだ、と心から思いました。患者さんと心に響く関係を築くことがこれからも私の中で最も重要である課題であり責任と思っています。

Q.開業した理由

「医師としての理想を形にしたい」――それが、開業の一番の理由です。 勤務医では患者さんとお付き合いする時間がどうしても限られてしまいますので、地域のかかりつけ医として、患者さんと深く関われる医師でありたいという思いを強く持っていました。
 浮間舟渡で開業した理由は、こちらからほど近くに実家があり出身の小学校も近所の赤羽だったので、昔からこの地域に親しみがあったことが大きいです。
 実は開業したときにはお腹に9カ月の子どもがいたのですが、夫や周りの皆さんのサポートを受け、開業も出産も無事に終えることができました。夫も医療職なので、仕事への理解も深く、子育てに積極的に関わってくれたりクリニックの運営についても助言したりしてくれるので、とても頼もしいです。

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